
先日、オーディブルの聴き放題に入っていた『行動経済学が最強の学問である』を聴きました。「これこそ最先端の教養だ」という語り口で進んでいく本でしたが、聴き進めるうちにある違和感を覚えました。——聞き覚えのある内容が、あまりに多い。
理由はすぐにわかりました。カーネマンの『ファスト&スロー』や『選択の科学』を、すでに読んでいたからです。一冊だけを読めば「最先端の発見」に見えるものが、複数の源流を辿ると「すでに語られていたこと」だとわかる。この体験そのものが、今回のテーマの出発点になっています。
1979年、カーネマンとトヴェルスキーが発表。行動経済学の中核理論のひとつ。
1970年代から積み上げられてきた、判断の"近道"に関する研究。
1980年代、セイラーが提唱。お金の心理的な仕分けを説明する概念。
2008年、セイラー&サンスティーンが体系化。政策・実務に応用が進む。
「行動経済学、ビジネスパーソンの教養として大事らしい」とは言われるものの、話題の本を読んでも「なんとなく知っている」で止まってしまう。そんな違和感を抱えている方は多いのではないでしょうか。
答えは、イエスでもノーでもありません。話題としての鮮度はたしかに過ぎましたが、体系として学ぶ価値はむしろ今のほうが高まっています。10月のたまいちブートキャンプでは、私、玉村一郎がこの「行動経済学はもう古いのか?」という問いを掲げ、シントピックリーディングを通じてその本質を探究します。一冊の本の主張を鵜呑みにせず、複数の源流を横断しながら、「学び直す」ことの意味そのものを一緒に考えていきましょう。
現代は、学び終わった頃には知識が陳腐化してしまうほど変化の速い時代です。このような時代において、正しい知識を追うこと以上に重要なのは、未知のテーマに対しても「自分はこう考える」という独自のモノサシ(見識)を持つことです。
「たまいちブートキャンプ」は、玉村一郎が自ら未知の領域に踏み込み、複数の文献や表現を比較・分析して自分なりの「見識」を創り上げるプロセスを公開する場です。
見識とは、自分はこう動くという「宣言」である。
変化の速い時代だからこそ、自分だけのモノサシを磨き続けることが、最大の武器になります。

一つの本の要約ではなく、これらを比較・統合して見えてくる「共通項」と「相違点」を抽出し、「行動経済学はもう古いのか?」という問いに対する、その時点での玉村の見識を提示します。
ダニエル・カーネマン『ファスト&スロー――あなたの意思はどのように決まるか?』
System1/2、プロスペクト理論、アンカリング――巷の行動経済学本の多くが由来する源流を、大元から読み解く。
選択のパラドックス、デフォルトの力、自律性の文化差――バイアスを"観察"する視点から、選択という行為の文化的な奥行きへ。
フィールド実験による検証を通じて、「人をどう動かすか」という設計の視点に踏み込む。
上野雄史『そのビジネス課題、最新の経済学で「すでに解決」しています。』
「直感」「場当たり的」「劣化コピー」「根性論」――日本のビジネス現場のリアルな言葉に、行動経済学を接続する。
今回のテーマについてシントピックリーディングで導き出した見識を公開します。
日進月歩で進化するAIツールを、玉村はどう使い倒しているのか。未来をデザインするための最もフレッシュな活用術を、最新情報とともに共有します。
今回は本編のテーマとも接続し、「AIの提案・要約に潜む"迎合"をどう見抜くか」「AIが書くコピーは、実はどれだけ行動経済学の型を模倣しているのか」といった視点も交えてお届けします。
「ちいかわ」ネタバレ考察や、「ガス人間」「スターウォーズ 9番目のジェダイ」「グラスハート」「私の夫と結婚してください」「マンダロリアン」といった配信ドラマ・アニメの紹介、最近見た映画の感動採点を披露します。

思考を広げ、未来をデザインするためのツールと知識を届ける講師。1964年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、日本マクドナルドに入社。ハンバーガー大学AECで最優秀学生の称号を獲得し、マネージャーとして単時間売上のワールドレコードを樹立。
30歳からは東京大学医学部研究生として健康科学を研究するなど、実務と学術の両面で卓越した成果を残す。中学時代から年間百冊以上を読破する圧倒的な読書遍歴を持ち、トニー・ブザンに師事した「マインドマップ」公認インストラクター第1期生、日本にわずか3名の「エグゼクティブ講座認定講師」の一人でもある。
総講演数2500回以上の登壇実績、満足度は常に98%以上を維持。Amazon人生論部門1位、著書『マインドリッチ~人生を変える新しい価値観』(講談社)発売2週間で獲得。「ダビンチ・モード」主宰/NPO法人学修デザイナー協会 理事・事務局長。
これまで日曜日の午後に開催していましたが、皆さんがせっかくの休日を有効に活用できるように、午前中に開催することにしました。ぜひこの講座に参加し、午後はご家族、趣味にお使いください。
後日録画アーカイブを提供しますので、当日リアルタイムで参加できなくても大丈夫です。
たまいちブートキャンプ 2026年10月号